工具鋼

工具鋼は治工具や金型に最も良く使われる代表格です。
主には安価な炭素工具鋼をはじめ、金型に良く用いられる合金工具鋼、切削工具など高温化での軟化しにくい高速度工具鋼の3つに分かれます。

SK材で知られる炭素工具鋼は安価でも高硬度の治具製作に向いています。ただし、焼入れ性が悪いので熱処理でムラが出やすかったり、熱に弱いので高温化では寿命が持たない材料になります。

合金工具鋼は主に金型としての用途が多く、特にダイス鋼の代表格であるSKD材は様々な業界の製造ラインで汎用性が高く使われています。冷間と熱間での材料の使い分けや耐摩耗性などに特化した高性能鋼材の活用によって、部品の長寿命化が可能になります。

高速度工具鋼はさらに耐摩耗性と靱性を求められる治工具に用います。
貴金属を多量に含んでいて大きい材料ほど高価になりますが、消耗が激しい環境では材料費に見合う十分なコストパフォーマンスが得られます。材料選定のポイントは靱性と耐摩耗性のどちらを重視するかにあり、さらに強度を求めるときは粉末ハイス鋼の活用も選択肢のひとつです。

分類 対応鋼種 特徴 用途
炭素工具鋼 SK 安価でも高硬度焼入れ性が悪い 一般治工具、ゲージ
合金工具鋼 SKS 耐摩耗性焼入れ性が良い プレス型、ゲージ
SKD11 耐摩耗性熱処理変形が少ない 転造ダイス、刃物
SKD61 高温環境でも耐摩耗性が高い ダイキャスト型、プラ型
高速度工具鋼 SKS 高温環境でも軟化せず工具性能が落ちない 難削材切削工具、刃物
粉末高速度工具鋼 SKH40 高速度工具よりも更に耐摩耗性、靱性が高い 高速重切削工具、刃物

用途に合った必要十分な材料選定ができると部品のコストダウンができます。お困りの部品があればご相談ください。

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