表面処理(サーフ処理)活用による部品点数削減事例

耐磨耗性が必要な精密加工部品の設計においては、必要な部分にのみ耐磨耗性に優れた材料を使用することがあります。例えば上図のようにSUS303等ステンレス材料に超硬(Hv1000~1,800)部品をロー付することで部品寿命を延ばすようなケースがありますが、この場合超硬の調達、加工、ロー付けなどのコストがかかります。

上記例のような場合は、超硬をロー付する代わりに、SUS303にサーフ処理(Hv1,200~1,400 膜厚20~30μm)を行うことでコストダウンを実現できることがあります。サーフ処理は窒化処理の一種ですが、処理による変寸が少なく高硬度の部品を製作することが可能になります。

耐磨耗性が必要な精密加工部品の場合、耐磨耗性が必要な箇所のみを別体で超硬のような耐磨耗性に優れた部材で設計することがあります。しかし一般的に部品点数が増えると製作コストが大幅に上がってしまうため、可能ならばサーフ処理のような、表面処理による硬度向上策等を検討することで、コストダウンを実現することができます。