材質変更(HPM38)による剛性向上事例
焼入処理無しで製作していた部品の硬度を上げる場合、たとえばSUS304で製作していた部品をSUS440C焼入で製作すると、部品形状によっては製作コストが2倍~5倍以上に跳ね上がることがあります。従来切削加工のみで加工終了していた箇所に、型彫放電加工が必要になるようなケースがあるためです。
高精度部品の設計時には、加工コストが高い焼入れ材以外にも、調質材料等を検討することでコストダウンを実現することができます。上記例では、SUS440C(焼入)の使用を検討していたことろ、HPM38(調質材)を使用することで、高硬度を実現しながら切削工程主体で加工を行うことが可能になり、トータルの部品コストの上昇を抑えることが可能となります。
部品の硬度を上げる場合には、焼入れ材への変更を検討することが一般的ですが、焼入れに伴い加工方法が大きく変わり加工コストが5倍以上になるケースもあります。このような場合は、調質材等を検討することで、既存の加工方法を大きく変えることなく、部品の調達が可能となります。