用途別製作事例

非磁性超硬を使用しDLCコーティングを行ったシュート部品です。
この部品の中央溝の幅には公差レンジ４μｍが指定されています。
溝の精度を緻密に仕上げるためには高精度加工が可能な型彫放電を行い、その後ラップし、最後にＤＬＣコーティングを行っています。ＤＬＣコーティングは非常に硬度が高く（Ｈｖ３０００）、摺動性に優れた（摩擦抵抗０．０９～０．１３）コーティングで、こういった加工コストの高い部品の需要をさらに向上しコストパフォーマンスを上げるために頻繁に採用されています。

通常の超硬をシュートに使用した場合、ワークとの相性が悪かったり使用条件によって超硬が腐食してしまうことがあります。その場合、超硬本来の耐摩耗性が発揮されず、部品寿命が著しく短くなってしまいます。その場合、より耐腐食性の高い非磁性超硬を採用することで、超硬本来の耐摩耗性を発揮することができます。非磁性超硬は結合剤にニッケル成分を多く含有していますが、ニッケルはステンレスにも多く含まれているように耐食性付与に効果の高い元素です。