用途別製作事例
高靭性巻き芯
- 工具鋼
- 巻く
- 材質
- SKH55
- 製品サイズ
- φ7×L40
製品の用途や機能
SKH55はコバルト含有のモリブデン系高速度工具鋼です。コバルトを含有した高速度工具鋼は比較的靭性を持つ傾向にあり、重切削用の工具の材料として採用されています。SKH55は焼入れ焼き戻しによりHRC64以上と、非常に高硬度となりますが、コバルトを含有していることにより、折損対策としての採用例が挙げられます。
部品の精度は公差レンジ0.02の仕様となっています。巻芯は、特に先端部のスリット加工を行った際の径精度が重要です。加工応力や材料そのものに潜在する応力により、狙った精度に仕上げることが困難になります。加工技術そのものも大変重要ですが、巻芯というアイテムの加工経験値をどれだけ積んでいるかが重要です。
この巻き芯のスリットはワイヤー放電で抜いていますが、重要個所のためワイヤー加工での精度や品質は手の抜けない部分です。加工応力が働いてスリットが閉じてしまうなど起こらないよう管理して工夫して加工します。