用途別製作事例

こちらはマルエージング鋼を利用した機械構造用シャフトになります。
食品包装用設備に用いられる機構部品のひとつですが、Ｕ字のスリットが入った部分で相手部品と篏合します。
篏合部分が回転方向に荷重が連続してかかることで先端が曲がってしまう課題がありましたが、強靭鋼であるマルエージング鋼に切り替えることで剛性を向上し、曲がりの解消に成功しています。MAS-1はニッケル、コバルト、モリブデンなどが添加された特殊鋼で、他の鋼材とは見られないほどの粘り強さを持った材料として知られています。時効処理を施すことでHRC50程度まで向上しますが、熱処理後でもねじれ剛性が極めて高い状態で維持されます。

溶接性は良いものの切削性があまり良くないことや大変高価であるデメリットを踏まえても、負荷の高い用途で大変期待できる材料になります。