用途別製作事例

HPM38はSUS420を改良して作られた合金で、プリハードン鋼です。そのため素材そのままの状態でHRc29～33の硬度を有しております。
もちろん通常通りの熱処理を行うこともできますし、ステンレス本来の耐食性を持ちつつ、鏡面仕上げにも向いています。そのためレンズ成型金型などに多く使用されています。そこへハードクロムメッキを薄膜にて実施することでさらに鏡面性に磨きがかかるようになります。

ハードクロムメッキはHV800以上の硬度で表面を硬化させることができ、耐摩耗性の向上に使われます。膜自体の耐食性が高く、厚く載せることで衛生面でもメリットがあるため、食品製造設備部品には大変良く使われているメッキです。

φ6 0/-0.005の最外径で全長1.2+0.02/0の円筒形状をしており、先端には1.3+0.1/0 × 1.6±0.05の角柱部分あります。そして端面には1.1×0.35±0.02の長穴が２箇所、中心振り分けにて1.0±0.05にて配置されています。弊社では自動旋盤にてブランク加工を行った後に、先端端面にある２箇所の長穴形状をワイヤー放電加工機にて仕上げております。端面は平面研削を行うことで鏡面に近い仕上がりとなっております。