特注部品加工の専門業者として図面設計検討の段階からご相談承ります。

特注部品加工事例 PARTS PROCESSING

SUS316 薄肉治具(φ63×L40)

 

製品の組み立てに用いる薄肉の治具加工の事例です。

もともとSUS303で作られていましたがさらに腐食性の高い環境下で用いる場合にも耐えることができるようにSUS316を材料に選定されました。組立治具であるがゆえに、形状精度は組立制度に影響してきます。薄い肉を残しながら形状に歪みを出さずに加工することが必要になります。

まず全体をNC複合旋盤を使用して円筒を作り、同時に脇からの窓部の彫り込みまで行います。ボトムの方に爪のように残っている突起部が特に形状精度を求めますが、工具で削っていくと加工応力で品物が潰れるように形状が崩れるリスクがあります。

爪部は加工応力の掛かり方が異なるワイヤー放電を利用することで高精度な仕上がりが可能になります。

ワイヤー放電 上下異形状加工

ワイヤー放電加工を利用した異形状加工の事例です。

ワイヤー加工はたいていの場合は糸鋸のように厚みに倣って形状を除去していきますが、ワイヤーを傾けることによって表がクローバー、裏がスペードのような形状加工が可能です。ワイヤー線を張っている上下のガイドを非対称に動かすことによってワイヤーを傾けていきます。

実は、金型部品ではダイスのニガシ加工などでもこうした技術が使われることがあります。

ワイヤーを傾けることで加工基準を取りにくくなるため、プログラムを設計する際には普段より頭を使って行うことが必要で、ワイヤーを傾けて精密加工を行う場合にはかなり高い技術を求められます。

左:幅25×L35

右:幅12×L35

SKD11(焼入れ + サブゼロ処理)を使用した同軸ゲージ(最外径φ17 × L22)です

1045177-004 #20同軸ゲージ

SKD11へ焼入れ及び、サブゼロ処理を行った同軸ゲージになります。サブゼロ処理とは焼入れを行った後に生じる残留オーステナイトをマルテンサイト化させるための手段の一つです。工法としては様々な冷却材(液体窒素など)を使用して0℃以下に冷却をおこないます。残留オーステナイトは経年変化の原因となり、ゲージのような寸法変化が生じることが許されないような部品には実施しておいて損のない処理になります。

同軸ゲージの名前からも想像できます通り、全長22mmで最外径φ17 0/-0.005と内径φ8.2 +0.005/0に公差がうたわれており、φ17とφ8.2には同軸度公差0.005が求められております。この2箇所の加工が重要となります。

前述の通り同軸を測定するためのゲージであるため、φ17とφ8.2の同軸度公差はもっとも重要であり、加工するうえで注意する必要があります。外径のφ17を円筒研削加工にて仕上げた後に、外径基準でφ8.2を内径研削加工にて仕上げて同軸度をだしています。

HPM38+ハードクロムメッキの吸着ノズル(最外径φ6×L12)です

1035898-001 吸着ノズル

HPM38はSUS420を改良して作られた合金で、プリハードン鋼です。そのため素材そのままの状態でHRc29~33の硬度を有しております。もちろん通常通りの熱処理を行うこともできます。そしてステンレス本来の耐食性を持ちつつ、鏡面仕上げにも向いています。そのためレンズ成型金型などに多く使用されています。そこへハードクロムメッキを薄膜にて実施することでさらに鏡面性に磨きがかかるようになります。

φ6 0/-0.005の最外径で全長1.2+0.02/0の円筒形状をしており、先端には1.3+0.1/0 × 1.6±0.05の角柱部分あります。そして端面には1.1×0.35±0.02の長穴が2箇所、中心振り分けにて1.0±0.05にて配置されています。

弊社では自動旋盤にてブランク加工を行った後に、先端端面にある2箇所の長穴形状をワイヤー放電加工機にて仕上げております。端面は平面研削を行うことで鏡面に近い仕上がりとなっております。

HPM38へダイヤモンド電着をしたチャックツメ(最外角25×70)です

ツメ

HPM38へダイヤモンド電着を行ったツメです。ダイヤモンド電着とはワーク上にダイヤモンドの砥粒が接触した状態でメッキを行うことで表面にメッキ層をつくり、砥粒を物理的に固定する工法のことを言います。ダイヤモンド以外にもCBNなどを固着することもあり、多くは工具や砥石の製造工程で行われます。治工具などで使用する場合は特に耐久性を求められるような部分に使用すると効果的です。

全体的に複雑な形状をしており、寸法公差±0.03~±0.05での位置関係が数カ所にうたわれています。また上下面には平行度0.05が指示されております。

位置関係が寸法公差によって厳しく指定されているため、弊社では最初に上下面の平面研削を行い平行度をしっかり出した後に、ワイヤー放電加工機にて一体加工を行っております。それにより位置関係をより高精度に出しております。

NAK80へカニゼンメッキをしたツメピン(最外径φ10 × L20)です。

ツメピン

NAK80にカニゼンメッキをしたツメピンです。NAK80はプリハードン鋼であり、同じくプリハードン鋼であるNAK55と一緒に紹介されることの多い材質です。既に焼入れがされている材料でHRc40程度の硬度があります。そのため切削加工を行うことが可能でありつつも、耐久性も兼ね備えております。またNAK55に比べると鏡面加工性に優れていることも特徴の一つです。

3本1セットで使用するツメピンで、根元にφ2.6 0/-0.01(Dカットのある部分)の取り付け部があります。そこからR5のツバが1mm厚みであり、先端に向かってR1.5の突起が13mmあります。3本を組み合わせるとちょうど丸棒になるような形状をしています。

弊社では3D CAD/CAMを導入しているため、3D CADにてモデリングを行った後に、3D CAMを活用して加工手順、使用工具の選定、加工条件の最適化を行っております。そのため今までは複数の加工機を用いての加工が必要でしたが、現在では自動旋盤のみでの加工を行うことが可能です。

NAK55(プリハードン鋼)の受けダイ(φ180×L60)です

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NAK55はプリハードン鋼と呼ばれ中程度に焼入れがされておりHRc37~43程度の硬度があります。左記の硬度であれば切削加工が可能であり、研削加工による仕上げが必要ありません。一般的な未熱処理の鋼材に比べて耐久性に優れており、また焼入れを行う材料と違い熱処理による変形も生じないため、様々な用途に使用することができます。また切削性に優れており、歪みも生じにくいため精密加工にも適しています。

最外径φ180 -0.05/0で厚みが60あります。Φ180の端面より内径φ130の底面までは24+0.05/0の公差が入っています。またφ180の端面には6°刻み(60当分)で溝加工がされており、0.6の深さで掘り込みを行う必要があります。

前述の通りφ180の端面より公差が入っているため、φ130の底面までの深さ寸法を先に仕上げる必要があります。その後φ180の端面より0.6深さの溝加工を行います。弊社では6°刻みの溝加工は複合旋盤加工機にて行っております。

SUS303+窒化処理のツメ(最外径φ50×L25)

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SUS303へ窒化処理(塩浴軟窒化)をすることで耐摩耗性を向上させたツメです。一般的に窒化処理と言っても処理をする工法によって様々な種類があります。本部品で行った塩浴軟窒化は 520~540°程度の温度にて処理を行い、金属の表面に各種元素を浸透させます。これにより表面に化合物相とその下層に拡散相を形成します。化合物相は優れた耐摩耗性、耐焼付性、耐かじり性を示します。

最外径φ50でその先にφ16.9 +0.01/0があり内径はφ15が貫通しています。Φ16.9の端面には幅0.3±0.01の突起が高さ0.5で25箇所ついております。

先端部の突起が0.3±0.01の寸法公差が入っているため、まずは外径φ16.9およびφ16.3±0.01深さ0.5のザグリ形状の加工を旋削加工にて行います。これにより0.3±0.01の突起を作る上でのブランク形状が出来上がります。この状態からエンドミル加工にて25箇所の突起を仕上げていくことになります。弊社では複合旋盤加工機での単機加工を行っております。

SUS440C(焼入れ)を使用したピン(最外径φ7×L80)

1034690-003 ピン

SUS440C(焼入れ)を使用したピンになります。SUS440Cは焼き入れを行うことでHRc58程度の硬度を有します。そのため耐摩耗性に優れています。

最外径φ7h7、φ5 0/-0.005、φ4.4、M3、φ2.2±0.02と先端に向かって徐々に細くなっていく形状で、全長は76 0/-0.02の公差が入っています。先端部端面にはφ0.7G6の細穴が深さ9mmであいており、側面から0.3幅の溝が3.5mm入っています。Φ0.7にはφ7に対しての同軸度がうたわれています。

自動旋盤にてブランク加工を行った後に熱処理を行います。ピンが小径であるため熱処理での変形に注意をする必要があります。熱処理の後に外径研削にて外径を仕上げ加工を行います。先端部のφ0.7は放電加工にて行い、0.3のスリットについてはワイヤー放電加工にて行っております。その際にスリットが窄まってしまう現象が出るため加工する際には注意が必要です。

SKD11(焼入)+TiCNコーティングのシュート(最外径φ95)です

1037380-002 シュート

SKD11(焼入)へTiCN処理を行ったシュートになります。TiCN処理(炭窒化チタン)はTiN処理よりも硬度を上げた処理であり、Hv2500~3200程度の硬度を有しています。その他にもTiNにはない特徴があるのも利点です。また処理温度が500℃程度と高温であるため、SKD11を使用する場合は熱処理の際に焼き戻しを高温(530℃程度)で行う必要があります。万が一処理温度よりも低い温度で焼き戻しを行った場合、素材の硬度低下を招いてしまう恐れがあります。

本部品は丸・角複合形状をしており、最外径部はφ95で両方向から平行カットが入っています。もっとも厚みのある部分で9.5mmあります。溝部分には幅寸法に+0.02/0と深さ方向に±0.01の公差が入っています。また溝部の出入口には10°にて誘い込みがついています。

丸・角複合形状のため弊社では複合旋盤にてブランク加工を行った後、前述の通り高温戻しにて熱処理を行い、平面研削にて仕上げ加工を行っています。熱処理により溝部の変形が懸念されるため取り代を設けて仕上げ加工にて寸法を調整する必要があります。

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